連携大学院のメリット・デメリット

現在、連携大学院の修士学生として某研究所にお世話になっているので、

連携大学院とはどんなものなのかを紹介しようと思います。

 

 

■連携大学院とは

まず、連携大学院とは

大学に籍を置いているが、研究室は国立の研究所にあり研究活動もそこで行える制度です。

私の場合は、大学院進学(修士課程の時)を機に大学自体を変えました。

大学院進学後の指導教員は研究所の所属の先生で、私を含めその先生の研究室を志望した学生は研究室自体が研究所にあるという状況です。

 

最近、大学院では研究所との連携を深める動きがあるようで、研究所に所属している研究員の方をその研究科の客員教員として招き入れ、学生が連携大学院として研究所で研究をするというような制度を推進しているみたいです。

そこで今回は、実際に連携大学院を経験している身として、これから進学を考えている人に向けて、そのメリット・デメリットを挙げていこうと思います。

 

■メリット

・国立の研究所の施設を使えること

・学生でありながらプロの研究員の方を間近でみれること

・研究室にもよりますが、大学よりも研究費に恵まれていること

・様々な研究員の方と知り合いになれること(研究者としての顔を広げられる)

リサーチアシスタントとして研究しながら、給料がもらえる確率が高い

 

以上に主なメリットを挙げてみました。

メリットは多くありますが、最大のメリットは何といってもプロの研究員の研究ぶりを間近で見れることだと思います。

私は学部時代、大学の研究室に所属していたため、教授の仕事を間近で見る機会はありませんでした(相談等はちゃんとのってくれます)。

修士入学後、連携大学院で研究所に来るとまず驚いたのは、学生も研究員の方と同じ部屋で研究ができ、周りにいるのはプロの研究員・ポスドクの方だったことです(正直少し焦りました...)。普通の大学の研究室であれば、いたとしても博士課程の人で、プロの仕事ぶりを横からみれるなんてことはまずないと思います。これから研究者を目指す自分にとっては、自分の目標が目の前にいて話もできる状況なので、自分がこれから何をすべきか、どの程度のレベルまで研究をもっていけばいいのか、研究員の労働とはどういうものなのか、を間近で見れる上に相談までのって頂けるため、非常に貴重な経験をさせてもらっていると思います(研究員人柄にもよりますが、親切な方に恵まれました)。

 

また研究室によるところはありますが、基本的に研究所は大学よりも基盤の研究費が多く、実験系の研究であれば、大学の研究室よりも実験に関するお金を出してもらいやすいと思います(少なくとも私はびっくりするくらいお金を使わせて頂きました)。そもそも研究設備がかなり揃っているため、研究がしやすいです。

 

研究所といっても中身は会社のようなものなので、全体の人数は多く、昼休みや5時以降にサークル活動のようなスポーツ同好会をする機会があります。そこでは、研究室以外の異分野の研究員の方ともつながりができるため、研究者としての顔を広げる以外にも、単純に交友関係が広がるかと思います(担当教員に聞けばどういう同好会があるのか教えてくれるはずです)。

 

また、研究所で学生として研究をする場合、リサーチアシスタントとして月に数万円ですが、バイト代を出してくれる研究室が多いようです。私の友人は月に10万弱もらってました(修士学生にそこまで払ってくれるところは少ないと思いますが)。いずれにせよ、経済面で困っている場合には、お金のサポートをしてくれる場合があります。

 

 

■デメリット

・学生の身分なので、少し研究室での肩身が狭い

・同期や先輩、後輩が来る可能性がかなり低いので、研究室飲み会などの大学生っぽいイベントはないと思った方が良い

・研究室にもよるが、年齢層が若干上の方が多いことが多いので、気軽に研究や実験方法を聞くのには抵抗がある

 

以上に考えられるデメリットを挙げてみましたが,総括していえることは,圧倒的に年齢層が上の方が多いことです。書いてみると意外とデメリットが少なかった(笑)

(余談ですが,私は大学院受験時,連携大学院に所属する上でやっていけそうかどうなのか的なことは面接で聞かれました。)

人間関係も一から作り直すことになるので,大変ですが良い社会勉強になるかと思います。結局のところ本人次第なところはありますが,以上に挙げたことが余程苦痛に感じないのであれば大丈夫かと思います。

 

■まとめ

連携大学院のいい点・悪い点を挙げてみましたが,結局のところその研究室によってさまざまだと思います。個人的な感想としては,肩身が狭い部分はあるものの,様々な面で自分の成長になっていると感じます。

これから連携大学院への進学を考えている方は教授の指導方針はもちろんのこと,研究室の雰囲気や研究費の状況等も聞いておいた方がいいと思います。

1つ注意したいのは,担当教員は研究室の良いところを推してくることが大半(デメリットを言ってくれる人はあまり見かけません)なので,その研究室に先輩学生が所属しているのであれば,その人のアドレスを入手して(担当教員に聞けば教えてくれるはずです),実際の研究室の雰囲気を聞いた方がいいと思います

 

連携大学院について聞きたいことがあれば,コメントいただければ返信します。

 

それではまた